太らない人

f:id:nursewaltz:20151122141214j:plain

人間、年をとればとるほど痩せにくくなります。代謝が落ちているし、活動量も減るからこれは当然のこと。若い頃みたいに動かなくなったので食べる量を減らしたよ、なんていう人にはあまりあったことがありません。

みんな気になりつつも、昔と同じように食べている。これで太らないはずがないんですが、中には体重が変わらない人もいます。いったいどういう仕組みなの?

【10年間体重キープ】

うちの病棟にも、太らない人がいます。年齢は40代の後半。そろそろ腰まわりにお肉がついてくる頃ですが、その人はちっとも太らない。もう勤続10年を超えるベテラン看護師ですが、新人当時から知っている人に言わせれば、この10年たぶん2キロ以上変わっていないというのです。すごい。

よほどきびしく食事コントロールをしているのかと思えば、夜勤中もドカドカ食べているし、飲みに行くと豪快に生ビールです。あれでなぜ太らないのか?特別な遺伝でも持っているんじゃないかと疑いますね。DNAのらせんに「太らない」と書いてあるとか(笑)。

【よく動くから?】

最近、とみに体重が気になっている私は、ひそかに観察しましたよ。あの体型キープの秘密が知りたいから。そこでわかったことは、ふたつあります。

まず、とってもフットワークが軽いということ。看護師の仕事はそうでなくても1日中動きっぱなしです。病棟中をうろうろしていますし、患者さんをCT室に連れて行ったり、リハビリ室に連れて行ったりと、動いているのが仕事です。

そんな中でも、その人はうんと腰が軽い。ナースコールがなれば真っ先に取りに行くし、急な入院でも嫌な顔をせずにベッドの準備に行く。手際がいいという以上に、反応が早いんです。運動量もほかの看護師より多いでしょうし、そのぶんカロリーも消費しているはずです。

太っているとどうしても動きが鈍くなります。スマートだからパッと動けるのか、動きが早いから太らないのか。卵か鶏かということですが、いずれにしろ、まねをしたいほどの身の軽さです。

【好き放題に食べているのに】

そしてもうひとつは、食べたいものを食べること。これは本人に聞いたのですが、40代の半ばになるまで、一度もダイエットをしたことがないそうです。一度もないんですよ!する必要がないほど、体重をずっとキープしているんですね。それで、食べたいものを我慢したことがないって。

えー、ケーキもお酒も揚げ物も、なんでもOKですか!?って、思わず聞き返しちゃいました。だって40代後半ですよ、夜中に差し入れのケーキを2個も食べたらダメでしょうが(笑)。そうしたら、食べてもいいんだって言われました。でもちょっと、ついでがありましたね。

「その時に、もし食べたければ食べるよ。食べたくなければ、食べない」

これなんです。この人の場合、体が要求するものと食べたいと思うものが一致しているんですね。

ふつうの人って、身体的な欲求と精神的な欲求が食い違っていることが多い。だから「もうお腹いっぱいだけど、見たことがないケーキだから食べたい」と思っちゃうんです。お腹いっぱい=体の欲求で、見たことがない=精神的な欲求です。

彼女の場合は体が欲しがるものだけで精神的にも満足できるので、無駄に食べることもないし、お腹がすきすぎてドカ食い、リバウンドなんていうダイエットの落とし穴にはまりこむこともないんです。

【セレブだ】

食べたいものを、食べたいときに食べる。こんなうらやましい食生活をしながら、ちっとも太らないというのは、よっぽど心身のバランスが取れている証拠です。普通の人はこんな風になりません。やってみようかなと思うのは、間違いです(笑)。これはいってみればダイエット界のセレブにだけ許された、優雅な体重コントロール法なのです。

ほんと、うらやましい…。